建築

『東福原の家Ⅱ』 棟上げ

昨日は米子市、『東福原の家Ⅱ』の棟上げに赴いて参りました。

周囲のマンションや周辺住宅からのプライバシー、左官職人であるご主人の腕を活かすべく壁面を湾曲させたコートハウス形式のプラン。
屋根の中に取り込んだ半屋外空間の中庭は、居住空間に対して開放し、湾曲した壁面に当たって間接的に入る柔らかな光と視界の広がりを表現しています。

29帖からなるLDKの天井は梁構造を全てむき出しにした納まりにすることで、木構造の迫力と凛とした整然とした木の配列、階高を抑えたスッキリしたプロポーションを図りました。

木の中心部を外し(割れにくい)、且つほぼ赤身という“大山杉”の梁は、さすが樹齢100年超えだけあって威厳さえ感じるほど。
設計時から大山の製材場へ赴いて、何年も天然乾燥されたこの木材を抑えた経緯があるだけに、いざ梁材で対面したときの感激はひとしおでした。

これだけの規模と湾曲した壁、かなりの面積を占める化粧材の構造は、私の経験でもかなりの難易度を誇りますが(たぶん職人キラーと云われてる…)、基礎屋、プレカット、大工、材木業と、それぞれの知恵と経験の粋を結集した形として結実しました。