建築素材

素材探訪

昨日は『クラーク中高一貫校』に使用する構造材の確認で、智頭町の製材業『サカモト』に赴いてまいりました。

本校舎、特別教室棟、体育館の3棟からなるこのたびの建築は全て木造で統一。

学校用途の強度が必要な構造部材は集成材を使うことが一般的ですが、無垢材ならではの迫力と優しさ、深みのある表情を学習空間で表したく全て地元製材に拘った構成とし、鳥取県の木材品質と製材技術の高さを示した建築を目指しています。

とりわけ難易度が高いのは本校舎の見え掛かりとなる大空間。

準耐火建築物となる木構造をそのまま現しとするには、『もえしろ層』と云って必要な断面寸法に対して、決められた割増寸法を加える必要があります。

構造家と検討した結果、柱の必要寸法は270×270、梁は120×330の3本併せという大断面、小屋梁(120×180)は1557本という尋常ならざる本数になりました…。

これだけのボリュームと大断面、かつ美しい肌目が確保できる智頭町は、さすが日本有数の杉の名産地と云われる所以ですね。

木材は構造材として使えるまで【製材、天然乾燥、人工乾燥、強度・含水率測定、プレーナー】など多くの工程が必要で長期間を要します。

工事契約からの準備では品質の良い木材の確保は困難(かつ高価)となるので、設計段階から着手するのが理想ですが、設計者は流通材の適寸や工程・コスト管理の感覚を持っておく必要があると思います。

現在作業中の天然乾燥は半年間以上通気の良い状態で外気にさらして、じっくりと水分を落としていく工程。

天井を見上げると密実で美しい柾目が連続する空間が目に浮かびます。

その流れで、ランドスケープの床に敷き詰める割栗石を求めて八頭町にある造園業、『オズガーデン』に訪問。

鳥取市河内地区で採れる30~40センチの黄身がかった石のサンプルを取っていただきましたが、私のイメージ通りでテンションも高揚。

芝生が広がる隣地グリーンフィールドや湖山池の雄大な自然と対峙出来るような、素朴で力強い表現が叶いそうです。

帰りながら「これって設計者がする仕事の範疇だろうか…?(もちろん無報酬)」と思いつつ、質の高い素材を使いたい欲求が勝っちゃうのは体に染み付いた性なのでしょう…。