先日は非常勤講師を務めている米子高専で、設計製図の講評に行ってまいりました。
課題は米子市美術館の裏側、9号線に面した場所を敷地と仮定として、米子市に必要と思われる文化パブリックスペースを提案するというもの。
この課題に取り組みには、街の歴史や問題点、周辺環境の特性など、さまざまな視点からコンセプトを創り上げる必要あり、3年生の課題としてはやや難易度が高いと思うふしもあるのですが、意欲的な作品が多々あって楽しませていただきました。
発表はコンセプトや図面を描いたパネルと模型を前に提示して、学生が一人ずつ内容を説明するプレゼンテーションが3分。
それについて我々専門家の講評が3分、という方式で、二日間に分けて進行。
プレゼンテーション中に作品の特徴を把握して、計画・デザイン・実現性・整合性・社会性などを評価材料にするのですが、3分の発表で適切な判断とアドバイスをするのは至難の業。
毎年のことながら講評が終わるとグッタリ抜け殻になってしてしまいます…。
最後にもう一人の非常勤講師の原先生と私が高い評価したそれぞれ2点(原賞、萬井賞)と最優秀賞の計5点を発表。
いずれもコンセプト、プレゼンテーションスキルが高くて、高揚感の出るような良い作品でした。
この課題のスタンスとしては、法規や構造は少し目をつむって、コンセプトの充実度と“場”の魅力を創り出した提案に評価軸を置いたのですが、他にも賞をあげられなかった評価できる良い提案もありました。
設計を進路に選ぶ学生は少ないかと思いますが、どの分野になっても(建築ではなくても)、この体験が活かされることを期待しています。