先日引き渡した、『上福原バイクガレージ』。
趣味に没頭できる濃密な空間を創造しました。
外観は小屋のような機能的で矩形のシンプルな形状。直接雨がかりとなる外壁面はガルバリューム鋼板とし、妻面は無垢の耐水性の高いアスナロ材を使用しています。
建具も同じアスナロ材で造り、目地を揃えて外壁板と同化させる意図。
一枚の幅が約1.4m、かつ重量のあるこの建具は普通のレールでは荷重が持たないので、重量用のハンガーレールを採用しました。ゴツい金物を見せないように、外壁面をふかし、ハンガーレールをセットしてからアスナロを被せています。
ソリッドで硬質な外観に対して、内部は小さな半アーチと大きなアーチの2段階で抑揚と連続性、生命力のある素材を表現。
杉の小幅板で少しづつ曲線を造っていくには、密実な高樹齢材、低含水率、柾目(伸縮しににくい)、ジョイント部の実仕様などが必要で、綿密に木材業者と協議したところ。優しさと迫力あるテクスチャーが実現して満足しています。
床は島根県の福光石を採用。石としては柔らかい凝灰岩(火山灰で出来た石)で、耐久性と肌触りの良さを兼ね備えた素材です。
住宅では実現しづらい素材選定とスケール感。
ご理解あるクライアントのお陰で、楽しく、突き詰めて仕事することが出来ました。