昨日は鳥取市の幼稚園園庭計画のため、八頭町にある『大江ノ郷自然牧場』へ造園を手掛けた、『オズガーデン』さんの案内で園内を散策させていただきました。
元々は放し飼いの養鶏から始まったこの牧場、食や農を楽しむため複合施設としての機能を加えることで県内外から多くの観光客が訪れています。
ランドスケープは自然豊かな周囲の山々と同調した“ナチュラルガーデン”という手法ですが、元々の地形を活かしつつ、丘の上に立つスクエアなガラス建築のボリュームが突出しないように、緑を楽しみながらアプローチしていく高揚感の演出はお見事。
傾斜地の植栽配置は何層かの段差を石垣で造られていて、その石垣が見えないように植栽を配置することで、自然な傾斜地の造形に活き活きとした豊かな自然体系を表しています。
地滑りや湿気の原因となる背景の山から流れてくる伏流水や雪解け水は暗渠管で隠すのではなく、あえて自然な水の流れも石積みの小川で視覚的に表現。
アプローチ舗装もなるべく土の表情を出しながら、割れないよう強度を保つために材料の配合にも試作を繰り返されたそうです。
全体に創意を抑えつつも、所々に細やかな仕掛けと遊び心を織り交ぜた素敵なランドスケープに心満たされる思いで帰路につきました。