築100年経過した古民家をリノベーションした松江市『雑賀町の家』。
工務店の尽力と職人の技、お施主さんのご理解によって引き渡しを迎えることが出来ました。
基本的に柱と梁の剛性と土壁の弾性によって成り立っている古民家の特徴を活かすべく、
主要構造を残してスケルトン状態にして、その迫力と時間の経過が織りなす味わい深さをあえて表現しました。
難しいのはもちろん新しく取り入れる素材選定。
古い素材に対峙出来るだけのポテンシャルの高い素材とそれを扱う職人の技術選定が良否の別れ道でしたが、
樹齢100年の床の大山杉、淡路の砂を使った土壁、土間の墨モルタル掻き落とし、洋桜の木製建具など、それぞれが重厚な風合いを醸し出し、古材との調和と緊張を高めてくれました。
施主が長野県まで足を運ばれたフルオーダーの薪ストーブやメキシコのエキパレスチェアも、
昔からこの空間に鎮座していたかのように馴染んでいました。