鳥取市では私がコンセプト企画・デザイン監修をしている、既存幼稚園の建て替え計画(名称は非公開)の提案をしてまいりました。
住宅地と商業地が混在するこの地域では、住宅街区のスケール感とランドマーク的な形態が求められ、歩車分離や騒音・プライバシー・熱負荷が緩和できる仕掛けと、狭い敷地を有効に、かつ広がりを持たせられる建築デザインとランドスケープ計画が必要でした。
保育室からは直接外に出られて自由に遊びまわることのできる奥行き3mのテラスを配置。
木製ルーバーをグリッド状に配してランダムにレイアウトし、通風を確保しつつ南側の日差しや大通りからの視線の緩和、保育室⇔テラス⇔園庭を自由に回遊できる動線、森のような園庭の樹々と同調するようなファサードデザインを図っています。
園庭は地上と屋上の2か所設けて、それぞれが違う性質を持たせました。
地上の園庭は樹木を配置、起伏を造り森を散策するような設えとすることで、視線や騒音を視覚的に柔らかく緩和するとともに、土や芝が保水することで夏季の温度上昇を和らげ、冬季は蓄熱する効果を期待しています。
屋上の庭園は子供が走り回れるオープンな庭園で、稲葉山や久松山の景勝が望める設定にしています。
子供たちにとって園での生活は、目にするもの、触るもののすべてが“学び”であって、建築においても、利便性や合理性を超えた先にある、“感性”を養う場であってほしいと願う次第です。
あって、建築においても、利便性や合理性を超えた先にある、“感性”を養う場であってほしいと願う次第です。